お地蔵さんを見た事があるという方は多いと思います。
墓地の入り口・道端といった所で見かける機会が多いですよね。
お地蔵さんというと仏像の一種とされており、仏像とはいえ屋外で見られる身近な存在です。
お地蔵さんを見ると、ついつい手を合わせたくなる気もします。
ですが、お地蔵さんには手を合わせてはいけないと言われているのですが、これはちょっと間違いなのです。
見た目的にはどれも似ていてあまり分かりませんが、お地蔵さんにもちゃんと種類があるのです。
という事で今回は、以下の点についてお伝えしていきたいと思います。
難しい話もあるかもしれませんが、なかなか知る機会のないお地蔵さんについて、ぜひ学んでください。
お地蔵さんに手を合わせてはいけないの?
手を合わせてはいけないお地蔵さんとは、一体どういったお地蔵さんなのでしょうか?
結論から申し上げますと、道端にポツンといるお地蔵さんや村のはずれにあるお地蔵さんです。
実は、お地蔵さんの前でしてはいけない事がいくつかあります。
- 手を合わせてはいけない
- 写真を撮ってはいけない
- 拝んではいけない
お地蔵さんに対して、上記の事をしてはいけないと言われています。
「絶対にダメ!」という訳ではありませんが、「しない方がいいのでは?」という風に言われ続けています。
お地蔵さんって、墓地の入り口や祠の中にひっそりと立っていますよね。
このようなお地蔵さんというのは、事故で亡くなった方などを供養するために設置された確率が高いのです。
私が通っていた保育園にも、小さめのお地蔵さんが設置されています。
あとあと聞いたところによると、迎えに来たお母さんを見つけて子供が走っていった際、車とぶつかり亡くなったと聞かされました。
お地蔵さんに助けを求めて悪い霊が群がっているとされているので、手を合わせてはいけないと言われています。
そこで手を合わせてしまうと、悪い霊があなたに助けを求めて憑いてしまう可能性も0ではありません。
ですので、お地蔵さんを見たとしても手を合わさないで、そのまま通過しても問題ありません。
きちんと管理されているお寺などのお地蔵さんには、手を合わせても大丈夫なので安心してお参りしてください。
お参りする際は、2礼2拍手1礼で大丈夫です。
ちなみにお地蔵さんに関しての疑問なのですが、なぜ赤いよだれかけをかけているのか?
これが、お地蔵さんが赤いよだれかけをかけている理由となります。
お地蔵さんはなんで屋外にいるの?
続きまして、なぜお地蔵さんは仏像の1種なのに屋外にいるのか?
その理由としましては、お地蔵さんの性質と【道祖神】の信仰というのが関係しているからなのです。
もう少し詳しく見ていきましょう。
性質って…?
お地蔵さんは仏像の1種と先ほどもお伝えしましたが、正式には【地蔵菩薩】と呼ばれる仏様の1種とされています。
仏様と言っても、種類があって…
如来・菩薩・明王・天部・垂迹といった、5つに分ける事が出来ます。
お地蔵さんは、地蔵菩薩と呼ばれているので、民衆と歩んでくれる菩薩に該当します。
ただし、お地蔵さんは人間界だけではなく地獄の隅々巡るとされています。
人々の困難を代わりに引き受けてくれるとされているので、【代受苦】の菩薩とも言われています。
日本では平安時代に、「極楽浄土へ行けない人は必ず地獄へ堕ちる」といった考えが広まりました。
そこで、貴族たちが起こした行動というのが、仏像を作り⇒徳を積み⇒極楽浄土を目指しだしたのです。
お金がない民主はというと、地蔵菩薩に対して救いを求めるように。
苦難を代わりに受けてくれる、ありがたく素晴らしい仏様としていろいろなところに設置されるようになったのです。
仏教では【生きる事は苦しみである】と言われています。
人というのは、【六道輪廻】の苦しみの中にいます。
六道輪廻の苦しみの中から、抜け出せるのは如来だけとなっています。
人が生まれ変わる6つの世界は、以下の世界となります。
- 地獄道
- 餓鬼道
- 畜生道
- 修羅道
- 人間道
- 天道
生まれ変わる世界の決め方としましては、現世での【行い】で決められる事となっています。
日頃の行いで次の世界が変わるって、なんか怖いですね…。
仏教を開いた釈迦牟尼仏が亡くなった後、弥勒菩薩が成仏するまで如来は現れていないと言われています。
無仏期間が出てくるわけですが、人々を救い出すための役割を果たしていたのが、地蔵菩薩=お地蔵さんなのです。
如来になる力を持っている、地蔵菩薩。
人々の苦痛を代わりに受けているお地蔵さんは、ありがたい仏様ですね。
ありがたいお地蔵さんですが、またもう1つの疑問が…。
なぜお地蔵さんは、6体並んでいるのか…?
日本昔話の笠地蔵も6体並んでいますよね。
6体の意味は、六道を表していると言われています。
地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道の6つの道を意味しているという訳なのです。
そして、お地蔵さんを語る上で忘れてはいけないのが、【道祖神】の存在です。
道祖神…?
この道祖神の存在が話をややこしくしているのです。
お地蔵さんにも、道祖神の性質を受け継いでいるものがいます。
お地蔵さんって、お墓の入り口に立っている事も多いです。
それは、あの世とこの世の境目に立っているという事で、道祖神のような役割を果たしているのかもしれません。
道端などに立っているお地蔵さんは、旅の安全を祈っているとされています。
それと同時に、旅の途中で亡くなった方の供養の役割も担っているとされています。
注意しなければいけないお地蔵さんは、誰を対象にして供養しているのか分からないお地蔵さんもいます。
そういったお地蔵さんには、悪い霊が集合している可能性があります。
お地蔵さんか道祖神の判別が出来ない場合は、安易に手を合わせるのは控えた方がいいでしょう。
お地蔵さんに手を合わせてはいけない意味とは?
道端にいるお地蔵さんには手を合わせてはいけないとお伝えしましたが、きちんと管理されているお地蔵さんには手を合わせてもOKです。
お地蔵さんには、代わりに苦しみを引き受けてくれるだけではありません。
お地蔵さんにもいろいろなご利益はあります。
- 無病息災
- 五穀豊穣
- 交通安全
- 子授け
- 安産
- 水子祈願
- 子ども守護 など
このようなご利益がお地蔵さんにあります。
ですが、お寺のお地蔵さんによって得意とする分野が異なってきます。
自分自身が何に対してお願いするかによって行くお寺は決まりますので、前もって調べておく必要があるでしょう。
お地蔵さんの起源というのは、【プリティヴィー】というものです。
大地の豊穣を管理し、財産を築き、病を治すと言われており、ご利益を願う神様とされています。
このプリティヴィーと呼ばれる女神が仏教に流れてきて、地蔵菩薩となったと言われています。
お地蔵さんの【地蔵】という文字には、ちゃんと意味があるってご存知でしょうか?
サンスクリット語で【大地】と【胎内】といった意味を持ち、漢字に訳したものとされています。
お地蔵さんと餓鬼
人の目には見える事はありませんが、お地蔵さんの足元には餓鬼道の入り口があるそうです。
先ほど餓鬼道のところで少し触れましたが、食べ物などを口に含むと炎となって消え、飢え渇きに苦しむとお伝えしました。
ですが、お地蔵さんの体に注がれたお水だけは餓鬼の口にまで届き、その時だけ飢えや渇きの苦しみが途切れると言われています。
【餓鬼】という言葉だけ見るとあまり良い印象はありませんが、お地蔵さんと餓鬼の縁というのはなかなか深いのではないでしょうか。
手を合わせてはいけないお地蔵さんを、家で祀った方の話でこのような話があります。
家でお地蔵さんを祀りだした時に、家の中の飲み物などが勝手に減ってしまっているといった事態が起こったそうです。
霊媒師の方に見てもらったところ、家の中に餓鬼が住みついていると言われたそうです。
ご年配の方に「お地蔵さんには手を合わせなさい」という方もいるでしょう。
ですがどのお地蔵さんにでも手を合わせていると、その内、餓鬼を家に連れて帰ってしまうはめに…。
お地蔵さんを見つける度に手を合わせるのは、気をつけた方がいいでしょう。
まとめ
- 道端にいるお地蔵さんや村のはずれにいるお地蔵さんには手を合わせてはいけない
- お地蔵さんにしてはいけない事もある
- お地蔵さんが屋外にいる理由としては、性質と【道祖神】の信仰というのが関係している
- お地蔵さんにはいろいろなご利益がある
という事で今回は、お地蔵さんについていろいろとお伝えしてきました。
難しい話もあったかもしれませんが、読んでいただきありがとうございます。
お地蔵さんは、ありがたい存在という事が分かりましたね。
お地蔵さん=手を合わせるという考えもあるかもしれません。
ですが、中には手を合わせてはいけないお地蔵さんがいるという事もしっかり教える必要がありますので、気をつけましょう。