親族や知人が入院したと聞くと、お見舞いを用意する方が多いです。
ですが、お見舞いを用意する際、慌てた事はありませんか?
「封筒に名前って書かないのかな?」「いくら包めばいいのかな?」など、さまざまな疑問が出てきてしまいます。
また、親族以外にも会社関係者に渡すといった、シチュエーションももちろんあります。
マナーなどもあるので、こちらもさまざまな疑問が出てきます。
お見舞いの封筒を渡すといった機会は、なかなかないので疑問が出てくるのも当然な事です。
お見舞いの封筒に名前を書くのかどうなのかについては、悩む方が多いそうです。
ということで今回は、以下の点についてお伝えしていきたいと思います。
用意する際、慌てないためにも覚えておきましょう!
お見舞いの封筒に名前って書かないの?
まず最初に、お見舞いの封筒に名前を書くか書かないのかについてです。
結論から言いますと、お見舞いの封筒に名前はちゃんと書きましょう。
頻繁に渡す機会もないお見舞いの封筒ですが、渡す機会がありましたら、封筒には必ず自分の名前を書いておきましょう。
なぜ書かないといけないかと言いますと、貰った相手が困るから。
貰った相手は、入院中や退院した後はなにかと忙しいもの。
たいていの方は落ち着いたころに、お見舞いの封筒を開けるといった方が多いです。
その時、封筒に名前がないと、誰が、どのくらい包んでくれたのか分からなくなってしまいます。
ですので、相手の方のためにもお見舞いの封筒には、名前を書いておく必要があります。
貰った相手が、困っちゃうから忘れずに!
また、封筒の表に柄が描かれていると、名前を書かない方がいいと思っている方もいると思いますが、柄が描かれていても、名前は必ず書いておきましょう。
お見舞い封筒の正しい書き方とは?
次は、お見舞い封筒の正しい書き方についてです。
いざという時、慌てないためにも、しっかり覚えておきましょう。
ではまず、用意する封筒についてですが、お見舞いに使う封筒は紅白のご祝儀袋です。
え?お見舞いなのにご祝儀袋でいいの?
と、思う方もいると思います。
お見舞いというのは相手の全快を祝うのにお見舞いに行くため、ご祝儀袋で大丈夫なのです。
装飾された派手めの物もありますが、こういったご祝儀袋は控えましょう。
ご祝儀袋は、表包みと中袋が入っている物が正式な物となっております。
また気をつける事が他にもあります。それが以下の2つです。
それでは、書き方の方にいきます。
封筒に名前を書くときは、毛筆や筆ペン。それか太めのフェルトペンを用意します。
封筒の上の部分に「御見舞」という文字が無ければ書いておきましょう。
下の部分には自分の名前をフルネームで書きましょう。
なぜ、フルネームで書く必要があるの?
苗字だけだと、万が一同じ苗字の方がいた場合、金額が同じであれば、さほど問題はないと思いますが、金額が違う場合も大いにあります。
そうなると、貰った相手は悩む事になります。
相手は、貰った金額でお返しを用意するのが一般的なので、苗字が同じで金額が違うと、どちらにどれくらいお返しすればいいのか、分からなくなります。
まさか、お見舞いを渡してくれた相手に、「いくら包んでくれた?」なんて聞くわけにもいかないですよね。
ですので、封筒にはきちんとフルネームで、名前を書いておきましょう。
住所に関しては、渡す相手によって書くか書かないかが変わってきます。
住所を書かなくてもいいとされている、相手はこういった方です。
- 親・兄弟姉妹・祖父母・親戚・孫・義理の親
- 同僚・先輩・後輩
- 友人・近所の方・昔からお世話になっている方
こういった方にお見舞いを渡す場合は、住所を書かなくてもいいと言われています。
会う頻度が高い人には、書かなくてもいい感じだね。
逆に、住所を書いておくべき相手はこういった方々です。
- 親戚・義理の親族(あまり会う機会が無い方)
- 会社の上司
- 学生時代の知人
こういった方にお見舞いを渡す時は、住所を書いておくといいでしょう。
なかなか会う機会が無い相手だと、住所も書いておく必要があるね。
金額の書き方
金額の書き方についても、封筒の中袋に書いておく事をおすすめします。
「金額を書くのは、ちょっと気が引ける」という気持ちもあるはずです。
ですが、金額を書かずに渡してしまうと、相手が貰った金額を忘れる可能性も出てきます。
メモを取っておけば大丈夫かもしれませんが、入院中は何かと忙しいですし、メモを取る暇もないかもしれません。
貰った相手は、金額によってお返しを考えるので、忘れてしまうとどれくらい返せばいいのか、相手も分からなくなってしまいます。
ですので、忘れても大丈夫なように金額もちゃんと書いておきましょう。
書いておけば、相手もメモする手間も省けていいかもしれないね。
お見舞い封筒の書き方につきましては、以上となります。
ちなみに、ご祝儀袋の中には、中袋がある物とない物があります。
中袋がある場合は、中袋裏面の左下に、名前、場合によっては住所を書き入れます。
中袋が無い場合は、裏面に直接名前や住所(必要な場合)などを書きましょう。
金額の書き方に関しては、中袋がある場合は、中袋の正面に金額を書き、中袋が無い場合は、裏面の左下に書いておきましょう。
また、金額を書く時は、旧字で書くと、より丁寧な印象がもたれます。
- 1 ……壱
- 2 ……弐
- 3 ……参
- 5 ……伍
- 10……拾
- 千……阡
- 万……萬
- 円……圓(円でもOK)
これらの旧字を使って、1万円を入れるなら【金壱萬円】と縦書きで記入しましょう。
お見舞いの封筒にお金を入れる際の正しい入れ方は?
続いて、お見舞い封筒に入れるお金の入れ方についてです。
用意する時に、「どっち向きに入れるのが正しいかな?」と悩む方も多いです。
私も用意するたびに、迷ってしまい、結局ネットで調べて入れています。
私と同じような経験をしている方もいるはずなので、ここでお金の入れ方についてご説明していきたいと思います。
まず、お金を入れる前にポイントがあります。それがこちら。
封筒に入れるお金は、新札ではなく綺麗めなお金を入れること。
どうしてかというと、新札というのは、銀行に行って新札と交換してもらうという方が、ほとんどだですよね。
つまり、あらかじめ用意されていたお札と認識されます。
となると、貰った相手は、「自分が入院する事を待っていたのか?」と、捉えてしまいます。
そうならないためにも、出来れば新札ではなく、なるべく綺麗めなお札をいれるようにしましょう。
たまたま新札を持っていた場合は、折り目などをつけてから入れるようにしましょう。
そして、お金の入れ方についてです。
お金の入れ方は、肖像画を表向きにして入れると良いでしょう。
つまり、肖像画が上側に来るように入れて、金額が下側になるようにして封筒に入れます。
でも、どうして肖像画が上側なの?
お金の入れ方に意味があるなんて、知らなかったな。
また、お見舞いの封筒によっては、中袋がある物と無い物があります。
中袋がある場合は、中袋正面から見て、肖像画が見えるように。
中袋が無い場合でも、入れ方は一緒なので、肖像画が上側に来るように入れましょう。
ちなみに、お見舞い金の相場についてはこちらにまとめてあります。
親・兄弟・姉妹・血縁関係…5,000円~10,000円
友人関係…3,000円~5,000円
これらが相場となっておりますが、あくまで相場なので、誰かに相談して決めましょう。
お見舞い封筒を渡す相手が会社関係だった場合
最後に、お見舞いを渡す相手が会社関係者の場合について、ご説明していきます。
まず最初に相場をお伝えします。
- 上司・目上の人…3,000円~10,000円
- 同僚…5,000円
こちらが会社関係の方に、お見舞いを渡す時の相場となっております。
ですが、目上の方にお金を渡すというのは、失礼にあたる事も。
そういった場合は、現金ではなく品物を渡しても大丈夫と言われています。
渡して良いとされている品物がこちらです。
これらはすぐに食べられる物なのでOKです。特にどら焼きは、賞味期限が長いので渡すものとしては最適です。
ジュースなど腐りにくい物を渡しても大丈夫です。
暇つぶしグッズとして、イヤホンやアイマスク、本などを渡してもいいですね。
病院で使える日用品などを、渡しても大変喜ばれます。
これらを現金の代わりに渡すと、喜ばれるといわれていますが、あまりにも高価な物を渡してしまうと、逆に相手が迷惑になる事も。
やはりこういった物は気持ちだと思うので、品物を渡すなら3,000円~10,000円ほどで。
お菓子などを渡すなら、3,000円~5,000円ほどに留めておきましょう。
ここで食べ物を渡す事に関して、注意点があります。
それは、入院中に食事制限されている方も、中にはいらっしゃいます。
食事制限されている方に、食べ物を渡すのは失礼にあたります。
ですので、よく考えてから、お見舞いの品物を考えるようにしてください。
また、些細な事ではありますが、上司に物を渡すのであれば個人で選ぶのではなく、会社のみんなで選ぶようにしましょう。
みんなが選ぶ事によって、上司は「自分の帰りを、みんなが待っていてくれると」思えるようになり、退院に向けての意欲向上にも繋がります。
ですがここで注意点が1つ。
みんなで、渡す品物を決めたからといって、全員でお見舞いに行くのは控えましょう。
やはりお見舞いに来てくれるのは、誰もが嬉しい事だと思いますが、大人数で行くと迷惑になる事も。
ですので、代表者1名が責任を持って、渡しに行くのがいいですね。
品物の事ばかり説明してきましたが、現金でも問題はありません。
しかし、現金を渡すのであれば、封筒の上部に「御見舞」とは書かず「御伺い」と書いて渡しましょう。
「御伺い」の他に「祈御全快」と書いても大丈夫です。
渡す日程についてですが、入院してすぐや手術前後はなるべくお見舞いに行くのは避けましょう。
そして、行く前に必ずアポを入れる事を忘れないように!
突然のお見舞いは、相手にとって迷惑な事も。
寝ていたり、他の方がいたりするので、アポは必要ですよ。
また、渡すタイミングについては病室に入った時、お見舞いの言葉を伝えた後に、渡すのがベストなタイミングです。
どういった言葉をかけると良いかな?
相手にかけてあげる言葉としてふさわしいのは、こちらです。
- 「お大事になさってください」
- 「回復が順調のようで安心しました」
- 「焦らずゆっくりとご療養してくださいね」
- 「体を休めて十分にご静養なさってください」などこういった言葉をかけてあげると良いでしょう。
相手にプレッシャーを与えるような言葉を、決してかけないように気を付けてくださいね。
そして、忘れちゃいけないのが、言葉をかける相手はもう1人います。
それは付き添いの方です。
付き添いの方にも一言、言葉をかけてあげるといいでしょう。
- 「毎日の付き添い、お疲れ様です」
- 「しっかり休息してください」
- 「無理なさらず看護にあたられてくださいね」
- 「無理せず、くれぐれもお体には気を付けてください」といった言葉がふさわしいでしょう。
やはりこの一言があるかないかで、気分も変わるので必ず付き添いの方にも一言、言葉を述べましょう。
アポを入れて、実際にお見舞いに行かれた時は長時間の滞在は避け、相手の事を考えて、30分以内で帰るようにしてください。
複数人でお見舞いを渡す場合
個人でお見舞いを渡す場合もあれば、複数人で渡す場合も出てくる事でしょう。
複数人になると「名前はどう書いたらいい?」など、まだ別の疑問が浮かんできてしまいます。
ということで、複数人の場合はどうなのかここでご説明していきます。
封筒の下部に右側から目上の方の名前を書きましょう。
文字の大きさは統一にしておきます。
3名の場合は、役職や年齢が上の方を右側に書きます。
そして、残りの2名は年上の方の左側に書くようにしてください。
同じ年齢だった場合は、五十音順で左右どちらかを決めましょう。
文字の大きさは、先ほどと同様に統一にしておきます。
また、連名で書く時は3名までとしましょう。
連名で名前を書く時は3名までがいいとお伝えしましたが、中には3名以上で渡す時もあります。
そういった時は、封筒の下部に代表者の名前のみ書き、その左側に「外一同」と書いておきます。
けど、これだけでは「外一同」が誰の事か分からないままなので、別紙に全員の名前を書いて、一緒に渡してしまいましょう。
個人でもなく、複数人でもなく、会社全体から渡すといった場合は、下部に社名と社長の名前を書いておきましょう。
社名を書くときは、名前の右側に小さめに書いておく事がポイントです。
これらが複数人で渡す場合の名前の書き方になります。
いざという時、慌てないためにもしっかり覚えておきましょう。
渡す相手が取引先の会社だった場合
先ほどは、自分の会社関係の場合についてご説明してきましたが、今度は渡す相手が取引先の場合です。
失礼にならないようしっかり学びましょう。まずは相場です。
- 取引先の社長…10,000円~30,000円
- 取引先の担当者…10,000円~20,000円
こちらが相場となっております。
取引先に関しては、個人の判断でお見舞いを渡すのではなく、上司などに相談してから動きましょう。
また、お見舞いに行くのであれば、上司と一緒に行き取引先の方とお話しする時は、なるべく仕事の話題は、しないように気をつけてくださいね。
日頃からお世話になっている方へのお見舞いは、マナーを守り失礼のないように気をつけましょう。
まとめ
- お見舞いの封筒には名前をフルネームで書く
- 住所は相手によって書かない場合もある
- お見舞いに行く時は前もってアポを取っておく事
- 目上の方にお見舞いを渡すなら、現金でも品物でもいい
ということで、今回はお見舞いの封筒に名前を書くのか書かないのかを始め、お見舞いの封筒についてご説明してきました。
やはり、お見舞いの封筒にはきちんと名前を書いておくという事でしたね。
書かないと、相手側が困ってしまうのでフルネームで書いておきましょう。
住所も関係性によっては書く書かないという事で、そこは臨機応変にしてくださいね。
なかなか渡す機会もないので、しっかりマナーを身につけて、いざという時、慌てず準備出来るといいですね。