睡眠に関するトラブルとして、何を思い浮かべますか?
いろいろとあると思いますが、寝違えという方もいるでしょう。
実は寝違えって季節の変わり目や、寒い時に起こりやすいってご存知ですか?
寝違えてしまうと、行動もいろいろと制限されてしまいなにかと不便ですよね。
私も今まで何回も寝違えてしまって、いろいろと不便な思いをした事もあります。
起きて首を動かした時、勢いよく動かしすぎたのか激痛が襲ってきて、受診すると首の筋を伸ばした事もありました・・・。
寝ているだけなのに、どうして寝違えてしまうのか?
それにはある原因が…。その原因とは一体?
ということで今回は、以下の点についてお伝えしていきたいと思います。
この記事で分かる事!
- 寝違えについて
- 寝違えの原因
- 寝違えないための予防法
- 寝違えてしまった時の対処法
予防法などもご紹介しますので、今後のために知っておきましょう。
寝違えについて詳しく知ろう!
まず最初に、寝違えについてお伝えしていきます。
ちなみに寝違えにも正式名称がありまして、【急性疼痛性頸部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)】というのが、寝違えの正式名称となります。
ですが、ここでは聞き慣れている【寝違え】で話を進めていきます。
寝違えというのは、起きた時に首や肩、背中にかけて痛みが出る事です。
その痛みの原因とされているのが、首、そしてその周りの筋肉や靭帯が炎症を起こしているからなのです。
首を動かすと痛みがある場合や、痛みのせいで首が動かせないといった場合もあり、中には寝違えた際、首を傾けたままの方もいます。
寝違えの症状
寝違えの症状としましては個人差があります。
数時間で治る方もいれば、数日間首が動かせない方も中にはいます。
寝違えの痛みは、数日~1週間程度で治っていく事がほとんどです。
ですが重症の場合、じっと座っていても首が痛い、肩こりのような痛みがある、頭痛、めまいといった症状も出てきてしまったり、腕や手にしびれまで出てくる可能性も。
重度の寝違えや、痛みが長い期間続くといった場合は、他の病気の可能性も出てきます。
ですので長い期間、痛みが続くという方は1度病院の方で受診した方がいいでしょう。
ちなみに、首の痛みで受診する場合は整形外科で大丈夫ですよ。
寝違えを引き起こす原因とは?
続きまして、寝違えの原因について見ていきましょう。
寝違えの原因と言われているのは、2つあります。
なぜ、この2つが寝違えの原因とされているのか?
詳しくお伝えしていきます。
寝ている時の姿勢の悪さ
寝違えは、寝ている時の不自然な姿勢のせいで、首の周りや肩の筋肉、その他に関節や靭帯に余計な負担がかかっている事が原因とされています。
首の筋肉が長い時間、伸びきったままの状態や、血行不良で固まっている状態の時、急に動いてしまうと、筋肉が動きに追いつけず、首を痛めてしまう結果に。
寝ている時の姿勢の悪さによって寝違えてしまうという方は、このような原因があるとされています。
- 寝返りが打ちにくいor寝返りの回数が少ない
- 寝具が体と合っていない
- うつ伏せで寝ている
これらが原因とされています。
もう少し詳しくお伝えします。
寝返りが打ちにくいor寝返りの回数が少ない
何気なくしている寝返りですが、ある効果があるというのをご存知ですか?
寝返りには、血行を促進させてくれる効果と、体にかかる負担を分散してくれるという効果があります。
人間は、寝ている時でも姿勢が辛くなれば寝返りをして、首などに負担をかけないようにしています。
ですが、寝返りが打ちにくいと、血流が悪くなってしまい、同じ姿勢のままいる事で長い時間同じ場所に負担がかかり、寝違えてしまう事も。
寝返りが打ちにくい理由としましては、寝具が合っていなかったり、寝る場所の狭さが原因となっています。
一般的に一晩で20回~40回寝返りを打つと言われていますが、疲れが溜まっている時や、睡眠不足、泥酔している時は、寝返りの回数は少なくなります。
特に、泥酔している時は反応も鈍くなってしまい、姿勢が悪いまま寝続けてしまうので、寝違えるリスクは高くなってしまいます。
寝具が体と合っていない
枕を使って寝るという方がほとんどかと思いますが、今使っている枕は体に合っていますか?
枕にも柔らかい物から硬い物、高い物から低い物といった、いろいろな種類が販売されています。
自分に合っていない枕を使う事によって、首周りに負担がかかってしまい、寝違えしてしまうという結果に。
枕以外の寝具も、体に合っていなければ、寝返りが打ちにくくなってしまい、体に負担をかけてしまいますよ。
うつ伏せで寝ている
仰向け、横向き、うつ伏せといった寝る時の姿勢は、人それぞれです。
特にうつ伏せで寝る場合、首が横に向いているので、首に体重がかかってしまいます。
長い時間、同じ方向に向いている事で、寝違えてしまう可能性が大いに高くなります。
疲労の蓄積と血行不良
そして、もう1つの原因として疲労の蓄積と血行不良が挙げられます。
日頃の疲労の蓄積で、寝違えが起こるといった事も大いにあります。
また、血行不良の状態では筋肉の疲労回復を鈍らせてしまう事も…。
さらに、筋肉が凝り固まってしまう事で筋肉や靭帯を痛めやすくしてしまいます。
実は普段の行動から、疲労蓄積や血行不良の原因になってしまう行動がいくつかあります。
- 同じ姿勢で長時間いる
- 姿勢が悪い
- 前の日に激しい運動をした
- 冷えやストレス
- 水分不足
疲労蓄積や血行不良の原因となってしまう行動ですが、ではなぜこのような行動が原因となってしまうのかお伝えします。
同じ姿勢で長時間いる
日頃から長時間、同じ姿勢のままでいませんか?
長時間、同じ姿勢で仕事をし続けている方は注意が必要です。
同じ姿勢を長時間続けている事で筋肉が凝り固まってしまうので、寝違えの原因へと繋がってしまいます。
姿勢が悪い
人間の頭の重さは、5㎏あると言われています。
頭は、首や肩に支えられていますが、首や肩には大きな負担となっており、疲れが溜まりやすくなっています。
背中を丸めて、前のめりになってパソコンをしている方の首には、大きな負担がかかっています。
パソコンだけでなく、スマホを見ている時の姿勢も首に負担がかかっているので、気をつけましょう。
前の日に激しい運動をした
激しい運動以外にも、前の日に重い物を持ったりすると、筋肉に疲労が溜まりやすいです。
運動不足の方や普段重たい物を持たないという方が、急な重労働をする事で、筋肉が引きつってしまい、寝違えを起こす原因となります。
冷えやストレス
冷え性という方も多いですよね。
室温が低い部屋や、冷たい風によって首元を冷やしてしまうと、首周りの筋肉が緊張してしまい、首に負担がかかってしまいます。
特に、季節の変わり目である春や秋は、夜中に冷え込む事が大いにありますので、注意した方がいいでしょう。
そして、ストレスも原因の1つです。
ストレスによって血行不良が起こってしまう事もありますが、その他にも、ストレスを溜め込んでしまうと、リラックスする事が出来ません。
リラックスをせずに放置してしまうと寝つきが悪くなってしまい、睡眠の質が下がってしまう傾向があります。
睡眠の質が下がってしまうと、睡眠不足に繋がり、疲れが十分に取れない事から、寝違えを引き起こす事もあります。
水分不足
体内の水分やミネラルが不足していると、血液がドロドロになってしまいます。
そうなると、血流が悪くなってしまい筋肉が凝り固まってしまい、寝違えを引き起こしてしまう可能性があります。
これらが、寝違えを引き起こしてしまう原因となります。
寝違えを起こしてしまう原因は、いくつかあります。
私生活のちょっとした事の積み重ねが、寝違えを引き起こしてしまう可能性となるので、上記で紹介した原因に当てはまるという方は、気をつけましょう。
寝違えない為の予防法
続きまして、寝違えしない為の予防法についてお伝えしていきます。
この5つが予防法となっております。
ストレッチ
先ほど長い時間、同じ姿勢でいると筋肉が凝り固まってしまうとお伝えしました。
仕事などで長い時間、同じ姿勢でいる事が多いという方は、30分に1回は休憩をはさみましょう。
そして、休憩している時に、首や肩を回したり、背伸びをするといいでしょう。
ストレッチをする事によって、筋肉がほぐされ、血流の流れが良くなります。
また、普段あまり運動しないという方は、軽めの運動を習慣化する事で寝違え予防にも繋がります。
ウォーキングやジョギングをしてみたり、バランスボールなどを使って運動するのもアリですよ。
運動を行う時の注意点としては、正しい姿勢で行うようにしてくださいね。
お風呂
お風呂といっても寝違え予防になる時間帯としましては、寝る前がおすすめです。
お風呂に入る事で、リラックス効果が生まれ、筋肉の緊張をほぐしてくれます。
体も温まるので、寝違え予防にもなります。
おすすめの入浴方法としましては、40℃くらいのお湯に15分~20分浸かる事。
そして、寝る60分~90分前に入るのがおすすめです。
お風呂に浸かっている間、首の周りをマッサージするのもいいですよ。
ちなみに、注意点としましては、お風呂からあがってすぐに布団に入るのはNGです。
寒い時期の時は、温かい布団に早く入りたくなる気持ちも分かります。
ですが、お風呂からあがってすぐ、布団に入ってしまうと寝つきがあまり良くないのです。
その理由としましては、人間は深い眠りにするために、【深部体温】と言われている、体の中心部分の温度を下げようとする働きがあります。
お風呂あがりだと、深部体温は上がってしまっている状態なので、なかなか寝られなくなってしまうのです。
ですので、お風呂あがりから布団に入るまでは、最低でも60分以上は空けるようにしておきましょう。
ですが、お風呂上がりに体を冷やすのは寝違えにも繋がりますので、予めお風呂に入る前に部屋を暖める、温かい服を着るといった準備をしておきましょう。
睡眠環境
普段使っている寝具や睡眠環境も大事になってきます。
枕を使って寝ている方が多いですが、硬さや高さが合っていない枕を使い続けると、首の周りに負荷がかかってしまい、寝ている時の姿勢が悪くなります。
枕を選ぶのであれば、体に合った安定感のある枕を選ぶようにしましょう。
理想の高さとしましては、仰向けになった時に、敷布団と首の角度が5度になるのがおすすめです。
また、横向きになった時に、頸椎がまっすぐになる高さの枕が良いとされています。
枕を見直す事も大事ですが、良い姿勢を保つ為には敷布団を見直す事も大事です。
敷布団が柔らかすぎると、体の重たい部分(お尻など)が沈んでしまい、姿勢も悪く、寝返りが打ちにくくなってしまいます。
逆に硬すぎてしまうと、寝返りが打ちやすいというメリットはありますが、体の突き出た部分(お尻や肩)で体を支える事になってしまいます。
そのため、腰に負荷がかかってしまい腰痛に繋がってしまう恐れが出てきます。
また、寝具以外にも寝る時の格好も関ってきます。
体に合っていないサイズの物を着て寝てしまうと、布団の中で、もたついてしまったり、体が生地で締め付けられてしまい、血行の流れが悪くなります。
寝る時の格好としましては、体に合った天然素材の物がおすすめです。
麻素材の物だと、通気性や吸収性にも優れています。
綿素材の物だと、1年中着られるのでおすすめですよ。
あとは、室温も大事です。
寝る時の室温は、なるべく温かい方がいいでしょう。
おすすめの室温としては、こちらとなります。
湿度は、1年中を通して50~60%が適していると言われています。
水分補給
水分が不足している状態だと、血流の流れが良くないとされています。
ですので、こまめな水分補給を意識してみましょう。
その際に適した飲み物にしましては、ミネラルウォーターや炭酸水、麦茶がおすすめ。
逆に、利尿作用があると言われている、カフェインが含まれた飲み物はNGですよ。
また、水分補給をする時は、一気に飲むのではなく、数回に分けて飲むのが理想です。
一気に飲んでしまうと、体が吸収しきれないので気をつけましょう。
水分補給は、季節に関係なく、普段から意識するようにしてくださいね。
酔ったまま寝ない
【寝酒】という言葉もありますが、そもそもお酒を飲んだ後に寝てしまうと、アルコールの働きによって、睡眠の質が落ちてしまうことがあります。
泥酔するまでお酒を飲む事は控えたり、酔っていて眠たくなってもパジャマに着替えて、いつも通りの場所で寝るようにしましょう。
これが予防法となります。
難しい事ではないので、普段から意識付けしておく事も大事かもしれませんね。
予防法の1つに【水分補給】と書きましたが、寝る前におすすめの飲み物もあります。
そちらに関しましては、こちらの記事を読んでみてください。
寝違えってしまった時はどうする?
どれだけ予防をしていても、寝違えてしまう事もありますので、寝違えてしまった時の対処法をお伝えしていきます。
- 安静にする
- 患部を冷やす
- ひいてきたら温める
- 湿布や抗炎症薬
- 病院で受診
これらが対処法になります。1つずつ見ていきましょう。
安静にする
症状の度合いにもよりますが、寝違えは自然と治っていくものです。
ですので、寝違えた時は安静にしておくのが1番です。
安静にする際は痛みが出る方向に向けないで、なるべく首を動かさないようにしてください。
首を回したり、マッサージをしたりしてしまうと、痛みが増してしまう可能性があるので、安静に過ごすようにしましょう。
患部を冷やす
寝違えた当日や、強い痛み、首が熱い、腫れがあるといった時に使える対処法です。
アイスノンや保冷剤(タオルで巻いておく)などで、首を冷やすと痛みが和らいでくれます。
ですが、この対処法を行う際は長時間冷やさないようにしてください。
冷やす事で痛みが和らぎますが長時間冷やす事によって、血行の流れが悪くなってしまいます。
血行の流れが悪くなると、筋肉が固まってしまい、肩こりを発症してしまう可能性が出てきてしまいます。
正しいやり方をまとめておきます。
- 1回のアイシンングを10分~20分行う
- 10分以上間隔を空ける
- その後10分~20分アイシングを行う。
これがアイシングの正しいやり方となります。
このようにしておくと大丈夫でしょう。
数十分繰り返す事が、効果的となっています。
ひいてきたら温める
痛みや腫れがひくのは、だいたい2~3日ほどとされています。
痛みや腫れがひいてきたら、次は患部を温めるといいでしょう。
温める事で、血行が良くなり早く回復するようになります。
患部に症状が残っている際のお風呂は、症状を悪化させる恐れがあります。
症状の具合を見て、慎重に判断してください。
数日経って症状が良くなってきているのであれば、ゆっくり動かしても大丈夫です。
先ほど、安静にしておくのが1番とお伝えしましたが、長い間、動かないというのもあまりよくありません。
血流の流れが悪くなってしまい、回復まで時間がかかってしまう事があります。
ですので、激しい痛みでなければ、徐々に動かす事も大事です。
ですが、違和感があったり、痛みが強くなるようでしたら、必ず安静にするようにしてくださいね。
湿布や抗炎症薬
激しい痛みが伴う場合は、湿布や抗炎症薬も効果的です。
ですが、市販の抗炎症薬には副作用もあるので気を付けてくださいね。
飲む事に対して抵抗があるという方は、1度薬剤師に相談してもいいですね。
病院で受診
- 全く動かせないほどの首の痛み
- 長い間痛みが続く
- 首だけではなく、頭痛や眩暈、痺れ
上記のような症状がある方は、1度病院で受診した方がいいでしょう。
あなたにとって、最適なアドバイスがもらえるはずです。
特に、長い間痛みが続いたり、体の不調が出てきた場合は、ただの寝違えではない可能性があります。
【頚椎椎間板ヘルニア】【関節リウマチ】といった別の病気の可能性も。
ですので、上記のような症状が出る方は、なるべく早めに病院に行くようにしましょう。
これらが、寝違えた時の対処法となります。
逆に、寝違えた時にしてはいけない行動もありますので、ご紹介しておきますね。
寝違えた時のNG行動
寝違えた時のNG行動は、2つあります。
なぜこの2つがNG行動なのか?見ていきましょう。
寝違えた初日に患部を温める
患部を温める事は、寝違えの予防などには最適とされています。
ですが、寝違えてしまってから温めてしまうと、逆効果になってしまう可能性が大いにあります。
その理由としましては、痛み、腫れ、熱を持っているという症状がある時は、患部に炎症が起こっている時です。
そのような時に温めてしまうと、炎症が広がってしまったり、痛みが悪化してしまいます。
寝違えた初日や痛み、腫れが残っている時は、温めるよりも冷やす事をおすすめします。
また、お風呂に関しても寝違えた初日などは、シャワーのみで終わらせるようにしましょう。
湯船につかると、一時的には楽になるかもしれません。
ですが、患部の炎症が広がってしまい、症状がひどくなる可能性が出てきてしまうので、シャワーのみにしておきましょう。
自己流のマッサージ
寝違えたからといって、自己流のマッサージをする方もいるでしょう。
ですが、自己流でマッサージしてしまうと、痛みが広がってしまい、回復するまで時間がかかってしまいます。
叩いたり、ほぐしたりするマッサージは、やめておきましょう。
これらが寝違えた時のNG行動となります。
間違った行動をしてしまうと、痛みが広がってしまい、回復するまで時間がかかる恐れがあります。
皆さん気を付けてくださいね。
まとめ
- 痛みの原因は、炎症を起こしているから
- 寝違えが治るまでは、数日~1週間程度
- 寝違えを起こしてしまう原因は、2つある
- 寝違えの予防法はいくつかある
- 対処法もあるが、NG行動もある
長くなりましたが、寝違えについてさまざまな視点でお伝えしてきました。
寝違えてしまうと、行動も制限されて不便ですよね。
ですので、ここでお伝えしてきた、予防法を意識してみるといいですね。
予防しているからといって、寝違えにならないとは限りません。
寝違えてしまった時は、ここでご紹介した対処法を試してみてくださいね。